かなり重要なセカンドオピニオン(嘘つきもいます)

8年ほど前、奈良で代診をしていた時代、ジャンガリアンハムスターのアレルギー性皮膚炎を診ていました。

ジャンガリアンハムスターのアレルギーは完治というのはほぼ不可能に近く(餌を選ぶということが困難なため)、僕自身も痒みを減らして本人のストレスを軽減したり、床敷がアレルギーの原因の時もありますので、こまめに床敷を、交換してもらえるようお話しました。

ですが、やはり、アレルギーの原因は食べ魔物にあるのか、治療薬を使用すれば一時的に改善しますが、最終的にもとに戻ってしまう、ということが続いていました。

そこで当時働いていた病院はハムスターをまともに見ることのできるような専門の病院では無かったため、僕は飼い主さんに、ハムスターやセキセイインコを専門に診察している、それこそ専門病院に一度でもいいから、セカンドオピニオンをお願いしてみたらどうでしょうか?とお勧めしました。

ですが、変わった飼い主さんで反応は良くありませんでした。

それって見捨てるってことですか?と言われました。
ぼくは一度専門の病院に詳しく診てもらってみれば、より良い治療ができる、ということを説明しました。
別に、完全に向こうに任せきりにするとは言っていないし、もしこちらの病院での診察を希望するなら、あくまで状態を確認し、良い治療法を見つけられるなら、その後戻ってきてもらっても良い旨を伝えました。

でも、それって見捨てるってことですよね?一度セカンドオピニオンを聞いてみて、より良好な治療ができるようになる可能性がある、見捨てる気はなく、戻ってきてもらって、聞いた治療をこちらでやらせてもらうことができる。
今のままだと、抗生物質漬けで耐性菌ができるし、抗真菌薬は肝臓に負担がかかる。ステロイドはいうまでもありません。

状況を良くすることができる、選択肢も増える可能性が高いんですよ?
でも、見捨てるんですよね?と言い続けます。

全く話が通じませんでした。
話がズレたまま、飼い主さんは僕に不審を覚えたようだったので、見捨てる気はなく、このままだと一生アレルギーのままで、耐性菌などができてしまえば、改善の余地さえ無くなってしまう可能性があることは忘れないようにお願いします。
と伝えました。

先生の良し悪しにもよりますが、この場合、治療がうまく行っておらず、専門病院でのセカンドオピニオンを通じて、より良い治療法を目指すための方策を考えていこうとするための方法を提示したものでした。

飼い主さんが極端で、話を聞いてくれないためにこうなりましたが、今度はこちらに戻ってきて開院してから、同じジャンガリアンハムスターに関しての話をしようかと思います。

まず見た目はアレルギーがあることははっきりしていました。一方で、足に大きな瘤ができています。
現在では僕もある程度のアレルギーの治療ができるようになりました(ただし、ハムスターのアレルギーは根本的な回復はほぼ不可能で、ストレスを与えない程度に頻度を多めに床敷を変えたり)。

瘤に関しては、ハムスターの麻酔はかなり危険で、そこで今度こそ、専門病院へのセカンドオピニオンを試してもらうことになりました。飼い主さんも乗り気です。
その結果、アレルギーによる炎症がひどすぎて、炎症を繰り返している内に、皮膚が膨れ上がったものだということがわかりました。
その後は先程も記述した通り、アレルギーの完全な治療法は存在しないため、状態を確認しながら、当院で診察をして行く、ということができるようになりました。

最初の例は、あくまで一度セカンドオピニオンを受けてみることを提案したのに、何故か飼い主さんがまともに話を聞いてくれないために、おかしな対応になってしまった話です。
ふたつ目の例が、セカンドオピニオンとしての理想的な話になるかと思います。

せっかく治療に関して、重要な提案をさせていただいても、飼い主さんが話を聞いてくれる気が無いなら治療もなにもありません。

まあ、上述の話は極端な例でしょうが、当院では僕にとって、治療が難しい(インコの入院施設が無いので、専門の病院にお願いしたり。というか、インコやハムスターの入院施設がある病院の方が少ないでしょう。ワンちゃん猫ちゃんと一緒にするとストレスで死んでしまうこともあります)場合など、セカンドオピニオンを推奨しています。

あくまで見捨てる気はないので、セカンドオピニオンも気軽に受けてみるのも一つの手段だと考えてみると良いでしょう。😄

ちなみに第名に書いてあるように、嘘つきもいる、というのは、他院で血液検査をした結果、血小板が非常に少ないと言われ、実際人間でも血小板減少症は死につながる病気として有名でもあるのに、半年後に再検査をしましょう、
と言われて当院にセカンドオピニオンに来院した方がいらっしゃいます。血小板減少症なのに、半年も待つ、というのは死ねと言っているのと変わりません。

ただし、血小板というのは、採血がゆっくりだったり、測定に時間がかかるとすぐに低値を出してしまいます。それを予防するのが、EDTAという血液凝固を予防する薬で、
実際に素早く採血、EDTAに入れて測定したところ、血小板の量は完全に正常な値でした。

こういう不審な診断がされた時にもセカンドオピニオンは役立つかと思います。

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