はっきり言って奇跡です!入院せずに、体力も落ちている状況でケトアシドーシスから復活

ケトアシドーシスって何?
という人がほとんどでしょうが、正確には糖尿病性ケトアシドーシスと言い、糖尿病が更に重症になって、ケトン体と言う体の邪魔になるもの(本来は体の栄養状態を守るために出るのですが、体のエラーの様なものです)が作られ、血液が酸性になります。

こうなると、倦怠感や吐き気、呼吸困難などが引き起こされてしまいます。

ケトン体を無くすには、インスリンを注射することが重要ですが、そのまま射つと低血糖になってしまうため、糖液を血中に点滴しながらインスリンを射つ、という、ちょっと矛盾しているようにも思える治療が必要になります。

この治療を実施するためには、食欲が無い状態で上記のことをしなければならないため、入院が必要になる訳です。

そして、今回。
題名にあるような、ケトアシドーシスになったと思われ、その後に何日も経過したために、長期の食欲消失、元気も無い状況だったため、
飼い主さんに、「このまま入院させても亡くなる可能性が高い、それでも入院させて治療するか、家で看取るか考えてください」
とまで伝えたワンちゃんが、膀胱炎もあったので、抗生物質で治療(あくまで膀胱炎だけの治療です)したところ、食欲が回復、家でインスリンを注射しているうちに、ケトン体が無くなり、元気になって再来院しました。

本来はケトン体が体内にあることで、食欲が回復すること無く、治癒するのは絶望的だったのですが、流石にビックリしました。
膀胱炎が無くなったからと言って、食欲が回復する訳ではないのです。

飼い主さんの努力と、特に本人の力で回復したようなものでしょう。

普通は治療をしても、ケトアシドーシスが改善する前に亡くなってもおかしくない、そういう病気です。

案外、入院させていた方が食欲の回復が起こらずに亡くなっていたかもしれません。

本当に奇跡的な回復でした。
こんなすごいこともある、という一例ですね😁

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