改めて、ワクチン接種部位肉腫
以前にも記載した、ワクチン接種部位肉腫。
ワンちゃんでは起こらず、猫ちゃんがワクチンを打った場所にできる腫瘍です。
このガンは、遺伝が関連しており、色々な所にワクチン接種してしまうと、その遺伝子を持っている猫ちゃんは、そこら中にガンができてしまいます。
そのため、日本でもアメリカに習って、左後ろ足のカカトに注射するのが基本になっています。
ただし、すべての猫ちゃんがワクチン接種部位肉腫を起こすわけではなく、正確な数は判明していませんが、1万頭に1頭ほど、僕の師匠の先生も、50年間ワクチン接種していながら、1頭しか経験したことが無いほどに、発生率は低いです。
遺伝が関連している、というのは、上記の様に極端に起こす可能性の少ないガンでありながら、ワクチン接種部位肉腫を起こす遺伝子を持っている猫ちゃんは、複数箇所に肉腫を起こすことがあるためです。
左足カカトに注射、と決めてあるのは、もし万が一、ワクチン接種部位肉腫を起こしたとしても、左足先端を切除するだけで済むためです。
ワクチン接種部位肉腫は発症した場合、凄まじいスピードで大きくなり、ギリギリの部位を切除しても、あっという間に再発してしまいます。
背中に注射してた場合などは、よっぽどの腫瘍切除の達人でなければ回復は見込めないでしょう。
死亡率の高いワクチン接種部位肉腫を、発生したとしても足の先端に発生させ、絶対に再発しない部分(膝辺りになります)で切除する。
発生自体が殆ど無い病気ですが、猫ちゃんは後ろ足一本無くなっても、平気で動きまわるので、もしもの時の最終手段と言えるでしょう。
ちなみに、前足を切除してしまうと、上手く歩くことができなくなってしまいます。
アメリカでは左後ろ足に混合ワクチン、右後ろ足に狂犬病(アメリカでは猫も狂犬病予防接種を実施します)、と決まっていますが、日本ではまだしっかりと決まっていないのが現状です。
難しいことでもないので、早い決定がより安全性を上げてくれるのではないかと思います。
0コメント