フラットコーテッドレトリバーとはまた違った、バーニーズマウンテンドッグの播種性組織球肉腫
バーニーズマウンテンドッグにおいて、組織球肉腫は全身に現れることが多いことから、悪性組織球症(全身性疾患のため、腫じゃなくて症)と言われます。
ひどい場合、多臓器不全(肝不全や腎不全などが同時に起こること)を起こして、亡くなってしまいます。
前のブログでも記述したように、内蔵に組織球肉腫ができた場合、1ヶ月ほどの余命になることが多いですが、ロムスチン(CCNU)という抗がん剤により、ある程度の延命が認めれれています。(フラットコーテッドレトリバーの場合はロムスチンでも4ヶ月と、他の抗がん剤とあまり効果が変わらなかったことが発表されています)
個体差もありますが、ロムスチンにより1年近く生きてくれたバーニーズもいるようです。
ただし、問題なのは薬が高価で、治療を受ける側が大きいため、より薬が多く必要になること。
だと言うのに、海外のみでしか販売していないんです。
日本でCCNUを真似した薬として、BCNUやACNUが存在しています。
論文の結果から言うと、BCNU、ACNUとも、ロムスチンとそこまで変わらない効果が期待できるようです。
ただし、アメリカでも日本でも、バーニーズマウンテンドッグが悪性組織球症になったと言うと、安楽死を選ぶ方が多いんです。
何故かというと、治療しても最終的には肺転移や多臓器転移などをして呼吸困難や多臓器不全で苦しんで無くなること。
余命を伸ばすと言っても訳半年程という事、体が大きすぎるため、抗がん剤治療のための費用が出せないこと、などによるものです。
大体ロムスチン50mgくらいで猫ちゃん一匹の体格に合うくらいでしょうか?
ロムスチンはどちらかというと、レスキュープロトコールという、基本的な抗がん療法が効かなかった時に使用することが多いんです。
詳しく知らずに申し訳ありません。
そして、上記の通り、なんでこんなに高いの?と言いたくなるくらいに高価です。
その分、スパッと癌を治してしまうくらいの効果があれば良いんですけどね。
飲み薬、注射薬によって値段も変わりますが、ロムスチン50mgで6000から12000円。
じゃあ、体格が60キロを軽く超えたりするバーニーズマウンテンドッグではどうなってしまうんでしょう。
こういうことからもアメリカでは安楽死が選ばれてしまうことが多い原因です。
というか、アメリカでは治らない癌だとか、腎不全でずっと点適が必要になるとか、糖尿病でずっと注射をしながら生きていかなくてはならない、という理由で安楽死を選ぶ飼い主さんが多いそうです。
価値観の違いですね。
先ほど、バーニーズマウンテンドッグでロムスチンを使用し、1年生きてくれた、という話をしましたが、普通は1,2ヶ月程度でしょう(転移の仕方次第ですが)。
フラットコーテッドレトリバーほどに高頻度に組織球肉腫になるわけではありませんが、もしこれからワンちゃん猫ちゃんを飼育する予定のある方は、その品種が起こしやすい病期や気性などなどを知っておくと良いかと思います。
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