改めて、卵巣再生症
つい最近、実際に取り出した卵巣以外の部分が卵胞嚢胞になったラブラドールのワンちゃんがいたので、紹介させていただきます。
こちらが再生して、さらに卵胞嚢胞という状態になったものです。
本来、卵胞嚢胞は若いワンちゃんにできることはまず無く、ほとんどがお年寄りのワンちゃんに発生しますが、今回はまだ若いラブラドールの子に発生しました。
かなりお年寄りになったのに、発情がよく起こるとか、陰部からの出血がある、という子はこの卵胞嚢胞ができていることが多いです。
同時に子宮蓄膿症を引き起こしやすくするという厄介な点もあります。
話は戻りますが、この子は避妊手術で卵巣のみ切除したのですが、卵管部分に卵胞嚢胞が出来てしまっています。
スタッフに写真を取るようにお願いしたのですが、ちょっとわかりづらくなってしまっています。
元の糸が溶けかけているのですが、青丸の部分が卵巣があった場所の更に奥を縛った場所です。
よーく見ると、溶けてきた糸が見えます。
写真左上にある、膨らんだ物が先ほどの卵胞嚢胞ですね。
以前、卵巣がうまく取りきれていなかったバーニーズマウンテンドッグの子は、こういう異常は認められませんでした。
取り残しと異なり、卵巣周囲の脂肪や卵管が卵巣に変化すると、この様に通常起こらない症状を示すのかもしれません。
卵巣再生症は、主に大型犬に起こりやすいとのことですが、そうは言っても非常に珍しい病気です。
また、外目には取り残したのか、周囲組織が変異して卵巣になったのかがわからないのが悩ましいところです。
そうそう起こることではありませんが、避妊手術を実施したのに発情が起こる場合は、早めに再手術を行うと良いかと思います。
(初回発情が来る前に手術をすれば、万が一、卵巣再生による発情が来ても、将来的な乳腺ガンのよぼうが可能)
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