手術後の、縫合したお腹が開いた!?

非常に珍しい話なのですが、大抵は、手術後もずっとワンワンと吠え続けている子が起こすことがあるようです。

また、術後日にちが経っていない時、縫い止めた筋膜が開くことが普通なのですが、
今回、変わったワンちゃんが出ました。

まず、あまり吠えないこと、お腹に力を入れなければ開くことはまずありません。
縫合してから日にちが経っていたこと。
腹筋ではなく、皮膚表面が開いていたこと。

普通は縫合してすぐ、力を入れる腹筋部分が開きます。
かなり珍しいパターンですが、縫合が開いてしまってから、すぐに連れてきてくれましたので、問題は起きずに、縫合し直すことが出来ました。

以前に、腹筋が開いて、しかも異常に気づいていたのに、抜糸の日(一週間後)まで待ってしまい、腹筋が開いたままで硬直してしまいました。

それを無理に閉じたところ、お腹の圧力が高くなっていた様で、内蔵が内側から圧迫されて、ワンちゃん本人が亡くなってしまう事件が起きてしまいました。

お腹の中から、無くなっても問題無い脾臓を取り除いてから腹筋の再縫合をやれば良かったと後悔しています。

要は、その子の中では、お腹の中から内蔵が出てきて、時間が経ってしまった。
その内蔵が無い状態が、その子の腹圧として普通の圧力に。

そこで内蔵をしまって縫合してしまったために、外に出ていた内蔵を中に入れた分、お腹の中の圧力が上昇。
ギュウギュウになり、色々な内蔵がお腹の中で圧迫されてお亡くなりになってしまった、ということです。

今回のワンちゃんは、開いたのが皮膚表面だったため、時間が経過していたとしても、問題なかったとは思いますが、ワンちゃんは人間や猫ちゃんと異なり、強く吠えるという特徴があります。

今まではこんなことは起こったのを見たことすら無かったのですが、可能性が低いからと言って、絶対起こらないとは限りません。

常に経験のない症例が来る可能性を考えて、勉強していこうかと思います。

と言うか、手術をした後にお腹が膨らんで来るようなことが起こったら、すぐに連れてきてもらえるとありがたいです。

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