避妊手術時、問題になる内臓脂肪に関して
猫ちゃんではそこまで問題にならないのですが、ワンちゃんの避妊手術の時には、お腹の中の脂肪が非常に邪魔になります。
そして、その内臓脂肪ですが、胃や腸の周り以上に、子宮に沈着していることが多いのがポイントです。
下の方の真っ赤な輪っか状をしたのは子宮ですが、その他の黄色味がかかった物は、すべて脂肪です。
手術時脂肪が邪魔になると書きましたが、どういうふうに邪魔になるかと言うと、まず子宮を取り出したくても、脂肪が邪魔で取り出せない。
次に卵巣を切除するために、卵管と、卵巣に血液を送っている血管(かなりお腹の奥にあり、脂肪が沈着していると、血管を止めるのがかなり困難になる)を縛る必要があるのですが、脂肪がたっぷりあると、卵巣の奥側を縛る様に、しっかりと確かめながら縛らなくちいけない訳です。
猫ちゃんが脂肪があっても問題にならない、と記載したのは、猫ちゃんの卵巣は剝き出しで目に見えていて、ワンちゃんの卵巣は脂肪に包まれていて、切り開かないと卵巣の終わりがわからないためです。
依然載せたワンちゃんの卵巣の写真ですが、これは脂肪を切り開いて、どこまでが端っこなのか、すでにわかるようにした写真ですね。
それで、子宮の内臓脂肪ですが、大型犬になると、もうとんでもないレベルです。卵巣がある場所が深すぎて、ただ卵巣を持ち上げるだけでも千切れそうになります。
よく発情が来てから手術を希望される方がほとんどですが、安全性からもまだ小型犬サイズの時に手術しちゃった方が良いかと思います(実際アメリカなどでは、飼い主の手に渡る前に避妊去勢手術をしてしまったりします)。
子宮にまとわりつく内臓脂肪は、外見が痩せているから、量が少ない、というわけでもなく、痩せたワンちゃんでも内臓脂肪が大量なことの方が多いことからも、より若いうちに避妊去勢手術を実施することを考えてみてあげてください。
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