昔はあったのに、狂牛病のせいで輸入できなくなった、非常に便利な代用血液

もう20年は前になるのでしょうか。
働いていた動物病院で面白い物を見せてもらい、実際に使用もしました。

それは牛の血液から作る代用血液です。
なにそれ?と思うでしょうが、これが超有能。

現状、ワンちゃん猫ちゃんが何かの病気や怪我で血液が足りなくなって死にそう、となると、例えばペット友だちから、血液型の合うワンちゃん猫ちゃんを探して来てもらって、実際に血液型が合致するかどうかのクロスマッチテストというのを行い、その子からたくさんの血液を採血(これが本当に大変。押さえつけることになるし、首から採血しないといけないため、血液ドナーになったワンちゃんも、相当病院が好きじゃないと無理なんです)、
採血した血液を貧血になったワンちゃん猫ちゃんに点滴で入れる必要があります。

ところが先ほどお話した代用血液。そのまま点滴して、貧血を回復させることができます。
血液型を調べる必要もなし。
ただし、血液検査機械に反応しないため、元気に歩き回っているのに、赤血球数が0だったりします。

現在では一切手に入れることができない、この代用血液は、死にかけたワンちゃん猫ちゃんの救世主になっていたと言っても過言では無かったと思います。
ただし、免疫の問題で、2度めに使うとアナフィラキシーショックを起こしてしまうことがあることから、人生で一度しか使用できないものではありました。
2度も輸血が必要な状況になることがあればの、話ですけど。

特に免疫介在性溶血性貧血という、自分の免疫が、自分の血液を自分の物ではない!と狂った判断をして、赤血球を壊しまくる上に、その速度があまりにも早く、亡くなってしまう子もたくさんいる病気なのですが、代用血液が無くなって、治療方法がより限られたものになってしまいました。

実は日本でも現在代用血液は研究されており、実用できる段階にはあるようです。
ただ、それが商品化できるまでにどれくらいかかるか、ですね。

20年も前に海外ではそういうものが作られていたのに、日本では4年ほど前にウサギへの人工血液の投与が成功した、という論文を読んだ切りです。
今はどうなっているのでしょうね?

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