悪性黒色腫(メラノーマ)
特にワンちゃん、さらに口唇にできることが多い腫瘍です。
厄介なことに、非常に転移しやすく、2cmを超えている場合はすでに転移していることが多いと言われています。
大体の見た目は黒く、コリコリしていますが、中には無色素性黒色腫と言う、メラニン色素が抜けて、さらに強く悪性を示す物も存在します。
口の中に出来やすいため、発見しづらく、上記のように、発見した時にはもう遅い、という腫瘍です。
また、眼球にできることもあり、ワンちゃんは悪性で転移しやすく、猫ちゃんは悪性でも転移しにくい、という特徴があります。
やるべきことは、発見次第、瘤より大分大きく切り取ること。眼球の場合は腫瘍だけを取る、ということができないため、眼球ごと摘出する必要があります。
黒い場合はかなり特徴的なため、すぐに発見できますが、ここで様子をみてしまう方も多く、来院した時点で手遅れなことも多いです。たった2cmになるまでの時間が生死を分けると言っても良いです。
無色素性の場合は、分かりにくいですが、当院院長は病理学教室出身のため、細胞診という、小さな針で瘤を刺して細胞を吸引し、染色液で染めてから、大体の良性、悪性の判断ができます(細胞診の場合、その道のプロでもそのくらいしか判断がつかないことも多いです)。
無色素性黒色腫は、見た目の瘤は肌色なのに、取った細胞の中にメラニン色素が存在していることで判断ができます。
無色素性は普通のメラノーマと比べてより危険性が高いと言われているため、やはり発見次第切り取ることが重要です。
更に細かく、何という腫瘍なのか、取りきれているのか、転移している可能性が高いのか、などは専門の器具が必要なため、そこまで知りたい方は病理学検査所への外注検査が必要になります。
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