薬剤耐性菌
ばい菌の中には、薬剤耐性菌といって、抗生物質が効かない菌が存在します。
この薬剤耐性菌が怖いのは、菌同士が影響しあって、自分の耐性力を他の、全く別種の菌にまで受け渡すことが多々あることです。
抗生物質を乱用することでも(特に、期間を守らずに、途中で使用を止める、などをするとより危険です)耐性菌は発生しますが、正しい用法であれば、問題になりません。
しかし、先ほど記載したように、全然関係ない所から、薬剤耐性菌が感染することもあり、中々治療がうまく行かない時は、薬剤感受性試験という、どんな薬が効果があるかを検査したりすることもあります。
ただし、2019年には全世界で、120万人の人が、薬剤耐性菌により死亡が確認されています。
要は、検査しても、一切の抗生物質が効かないばい菌も存在するということです。
日本のような先進国ではまだまだそこまで危険な菌が現れることは少ないですが、知り合いの医師に聞いたところ、よく、結核の患者さんが、まだ治りきってないのに薬をやめてしまい、薬剤耐性菌を作り出してしまうことが多いとのことでした。
当院では、しっかりと感染症を治しきるための抗生物質を処方して、耐性菌を出さないよう、気をつけていますが、中途半端に症状が改善して、飼い主さんが薬をやめてしまい、再発、薬が効かなくなる、ということもよくあるエピソードです。
処方した薬、特に抗生物質はしっかりと飲み切るようにしましょう。
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