犬と猫の糖尿病のちょっとした違い
生理学的な専門用語を使うと分かりにくくなるので、簡単にわかるように説明させていただきます。
まず、ワンちゃんの糖尿病は基本的に、膵臓の機能が完全に失われることが多いため、一度必要なインスリンの量がわかると、毎回決まった量を注射することで、血糖値を抑えることができる傾向にあります。
ただし、確実ではないので、もちろん検査をしながらインスリンの用量を決めることがほとんどです。
一方、猫ちゃんの糖尿病の場合、膵臓のインスリン分泌機能が完全に無くなることがなく、その時々によって、インスリン分泌量が減ったり増えたりするため、より細かい血糖値の検査が必要になってきます。
当院では2週間ごとに、当日の血糖値と長期血糖を表すフルクトサミン(人間のヘモグロビンa1cとほぼ同じ変動を示すことが分かっています)を調べて、打つべきインスリンの用量を決定しています。
また、ワンちゃんより猫ちゃんの方が糖尿病になりやすい傾向にあるようです。
糖尿病になってから、インスリンを打たないでいると、ケトアシドーシスと言って、体に毒であるケトンと、血中の酸性度が高まり、死亡することがあります。
さらに、高用量のインスリンを打ってしまっても、低血糖症を起こして死亡することがあるため、定期的な血糖値の確認が重要になってきます。
猫ちゃんの方が変動があるため、多く打ってしまったり、少なく打ってしまったりすることが起きやすいと言えるでしょう。
このように、糖尿病は死に直結するため、甘く見ずに、しっかりと定期的な検診を受けることが重要です。
最後に、糖尿病になったかどうか、を判断するポイントが、多飲多尿、食べているのに痩せてくる、最終段階になると黄疸が出てくる、などが特徴です。
予兆に気づかないことが無いように気をつけましょう。
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