猫の避妊手術でどれだけお腹を大きく切るか。内視鏡との比較
若葉区や奈良県で代診していた頃、猫ちゃんの避妊手術というと、大体3針縫う低度の切開創を開けて手術していました。
ちょうどその頃話題になっていたのが、内視鏡による避妊手術です。
小さな穴を3ヶ所(カメラ、処置をするための器具2つ分です)開けるだけで手術ができるため、猫ちゃんやわんちゃんに負担がかからないとのことでした。
ですが、千葉に戻ってきて開業してから勝田台の村上で開院している、先輩獣医師の長谷先生に、「猫の避妊手術は1センチの切開創で可能よ?」
と言われ、実際に見せてもらうことに。
問題なく1センチの傷1ヶ所で避妊手術ができていました。
これなら、3ヶ所も筋肉に穴を開ける内視鏡手術よりずっと負担が少ない!
(通常、お腹を開ける手術では、縦に中心に走っている白線を切ると、痛覚が無いため、痛みを抑えられます。筋肉は痛覚がたくさんあるため、3ヶ所開けるだけでも傷みはそれなりにあるでしょう)
当院でも1センチの切開創で猫の避妊手術を行なう様になりました。
以外に簡単なのがポイントですね。
わんちゃんの避妊手術の場合は切開創が小さすぎると、血管が切れたり、卵巣がちゃんと取りきれなかったりするため、しっかりとお腹を開けさせて頂いています。
ただし、通常の痛み止め、脳から痛みを抑える命令を出すオピオイド、筋肉、皮膚の部分に局所麻酔を使用したりしているため、来院した時から怯えてる子以外は、手術後元気でいてくれる子が多いです。
自分も昔経験があるのですが、右手の小指を骨折した際に、巻いてから硬くなるタイプのギプスをキツく巻きすぎて、骨が曲がって癒着性してしまったために、骨を切って真っ直ぐに治す手術を行いました。
涙が出るほど痛かったですが、局所麻酔の痛みを止める能力はすごいです。
中学生の頃だったために、全く痛みを感じなかったから、術後の手で遊んでしまったのが悪かったのでしょう。
痛みが少ないほど、回復が早い、というのは論文でも証明されているため、当院ではしっかりと痛み止めを実施しています。
小さな傷に、ちゃんと痛み止め。
飼い主さんの中には、避妊手術や去勢手術が可哀想という方もいらっしゃいますが、将来乳腺癌になったり、子宮蓄膿症になったり、前立腺肥大症になったり、睾丸の腫瘍になったりする方が辛いでしょう。
また、後で、若い頃に避妊去勢手術をしておけば良かった…と言う飼い主さんが非常に多いです。
ブログ内でも何度も言っているように、病気になる前に避妊去勢を実施しておくべきでしょう。
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