最弱の生き物にされてしまったカイコ

カイコの歴史は紀元前までさかのぼります。
残念ながら、現在の中国の場所にあった、とある国で、クワコという生き物が原種になります。

伝説では(伝説と言えるくらいの大昔)、そのとある国の王妃が偶然マユを見つけて、面白がって転がしていたところ、お茶に落ちてしまったのですが、マユが解けて一本の糸になりました。
これは衣服や布など色んなところで使えるんじゃ…
そして実際に出来た絹糸は、肌触りが最高で、ツヤもあり、最高の布になった訳です。

ちなみに絹の肌触りが良いのは、人間の肌と同じ、タンパク質で出来ているためだそうです。

王妃のちょっとした行動で、その国はおおいに儲けました。
ですが、誰が流した不明ですが、いつの間にか現在の日本こと、倭国に絹の製法が流れていました。

倭国からの使者に「御国に教わった絹を作って見ました。出来はどうでしょう?これからも精進しますね!」と突然言われたその国の王は大層驚いたことでしょう。
製法を秘密にしていたのに、倭国は純粋に教えてもらったことを感謝して、実際に絹を作って来ていた訳なので。


絹の歴史はこうして始まりました。
クワコはドンドン品種改良されて、自然界に離したら一発で食われてしまうような真っ白な色に。
糸を沢山出させるために、桑をたくさん食べるように。

ちなみにこうして大量の糸を出せるようなった「蚕カイコ」は、マユから出ようとして、口から酸を出しますが、マユが分厚くて自分では穴を開けられません。
大量の卵を産むように品種改良されたために、体が重くて空を飛べません。
空を飛べないので、交尾の相手を自分では探せず、人間頼みです。
あと、何故そうなったのか、交尾させると、自分では体を離すことができず、人の手で離してやらないと、ずっと交尾をしたままになります。

かつてはクワコとして、自由に生きていたのかもしれません。
ですが、現在ではカイコとして、すべて管理されないと生きていくこともできず、卵を取るため用のカイコ以外は茹でて糸を取るために、すべて死んでしまいます。

まあ、死んだサナギは食用になったり、餌として使用されたり、無駄なく全部使われますが。

完全に子孫を残せる環境を手に入れたと考えるか、飛んだディストピア(超管理社会のこと)で生きることになってしまったと考えるのか。
流石にそこまで考えることのできる知能は無いでしょうが😵


(ちなみに僕は芋虫が大の苦手です。蚕のあの動きを見るのもダメです。もちろん、他の芋虫、蛆の類いもですが)

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