クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)
小型犬に非常に多く発症する病気で、脳のすぐ下にある脳下垂体という場所から、副腎皮質ホルモン(ステロイド)を出すように命令が出たり、副腎皮質そのものからステロイドホルモンが多量に出るようになったりすることで起こる病気です。
外見的な特徴で診断がつきやすく、ぽっこりしたお腹、脱毛、よく食べる、水をよく飲んで尿をたくさんする、などがよく見られる症状です。
このくらいの段階では、特に身体に問題が出ないことが多く、確定診断や治療を始めるかどうかの選択をたずたりします。
酷くなると元気がなくなったり、どんどん痩せていったり、皮膚炎になりやすくなったりすることもありますが、そこまでになってしまうワンちゃんは珍しく、治療を考えた方が良いかと思います。
クッシング症候群であることがわかって、治療を始めることになるのですが、治療薬(トリロスタンといいます)に問題もあり、説明書に書いてある通りの用量を投与すると、死亡してしまうこともあるため、ごく低用量から初めて行くのが一般的です。
(以前はもう一種類、薬がありましたが、トリロスタン以上に使い方が難しいため、現在使用されることはまずありません)
これまでの説明でよくわかったと思いますが、クッシング症候群というのは、ステロイドホルモンが体の中で、過剰に放出されてしまう病気です。
死亡する、などの症状は起こすことがない病気ですが、上述の様に、皮膚炎になったり、お腹が張ってきて動きにくくなったりと、本人に害があるようなら、治療をすすめることが多いです。
確定診断のほうほうがやや面倒なのですが、コートロシンという注射をして、1時間後に採血した血液を外注で検査してもらうことになります。
皆さんも、急にワンちゃん達のお腹がぷっくらしてきた、脱毛が出てきた、などの症状が認められたらクッシング症候群について相談してみていただければ幸いです。
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