犬の避妊手術の際の卵巣の状態
極々まれに、ワンちゃんの避妊手術の際、術後も発情が認められて、卵巣が取りきれてなかったのではないか?
と思われることがあります。
また、中には避妊手術直後なのに、たまに一度だけ出る発情というものも存在しており、その場合、カバサール(卵巣過剰刺激症候群の発症抑制効果あり)という薬を使用することで発情が抑制。
その後は特に発情が出なくなる、ということもあります。
実は卵巣再生症というものは二つの状況があります。
一つは取り残し。あとで詳しく説明しています。
二つ目はなんと、卵巣の周囲の脂肪や卵管などが、卵巣として復活してしまうものです。
ネットの情報では卵巣周囲の脂肪などが卵巣に変化してしまうタイプの卵巣再生症はほぼ載っておらず、卵巣が取りきれて無かったから、発情が再発した、ということばかり書いてあります。
という訳で、手術時の写真を載せてみようとおもいます。
黒で囲んでいるのが卵巣。膜に包まれています。
手で持っているのが子宮の端。
緑の矢印の部分が切り取る部分です。
大体、卵巣は1cmほど余裕を持たせて切り取るようにしています。
取り終わった卵巣です。卵巣を包んでいた膜も取って撮影したものです。
特に切れ目も無く、綺麗な楕円形をしているのがわかります。
卵巣と周囲の組織は区別がつきやすいため、取り残してしまうことは中々ありません。
(今度から取り除いた卵巣を飼い主さんにお見せしようと思ったのですが、ホルマリンなどに漬け込まないと、一日でしおしおになって卵巣の形が維持出来ませんでした)
また、別の話になりますが、太り過ぎていると、避妊手術時につるつる滑るのと、結んだ糸がほどけてしまう可能性(出血が多くなる)が出てくるため、手術時は若いうち、特に大型犬は4ヶ月令くらいでもいいので、脂肪がまだ無いうちに行うと良いかと思います。
脂肪が多い、ということは危険性も高い、ということだと思ってください。
これ、とても重要です🤔
また、卵巣再生症は何故か大型犬に出やすいという論文がたくさん出ています。
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