たまにいる、見ただけで病気の種類を当てる獣医(問題あり)と、それを信じてしまう飼い主さん

題名では見ただけで当てる、と言っていますが、実際のところ、見て、当てずっぽうで病名を話し、それを見ただけで病気を当てた!すごい!という飼い主さんがいたりします。
ちなみに人医でも当然のようにいるそうです。(医者の友人談)

大抵の人は、これがどれだけおかしいかわかると思いますが、最低でも、問診、視診、触診を行わない獣医(医者もそうです)はヤブと言っていいでしょう。

上記の様に、あっという間に診断して、すごい名医!と思ったら、全然治らなくて、当院にセカンドオピニオンで来院したら腎不全。
もう治すことが出来ずにお亡くなりになってしまった、という例もありますし、他にもそういう件はよくあります。

もちろん例外もあって、例えば羽を膨らませているセキセイインコなどを、無理に視診、触診するとそのまま亡くなってしまうこともありますので、患者の状態を判断して、診療の一部を省くのは仕方のないことだと言えるでしょう。
(弱ったセキセイインコは本当に見ているだけでもストレスでそのまま死んでしまうこともあります)

古くから獣医をやっている先輩方の先生のお話を聞くと、検査をたくさんやることでかかる費用が問題になって、正確な診断が下せず、時間が経ってから検査をして、病気の実態を知ることが遅く、治療が間に合わなかった。ということは良くあったようです。
現在ほど、ペットが家族扱いされていなかった頃の話ですね。

ですが、現在の獣医療では、人間と同じ様に色々な検査を実施して、病気の早期発見、迅速な治療を行うことで助かるワンちゃん、猫ちゃん、その他の動物たちも増えています。

もちろん、何でもかんでも検査をしろ!という訳ではありません。
聴診をして雑音があればエコーやレントゲンを。
触診をして、お腹が張っていたらエコーを。
歳をとっていて、明らかに調子がおかしい時などには血液検査を。

そのように判断していくのが、普通だと思います。

パッと見て、パッと診断して、治療したら治ったから名医!
これはあくまで、適当に治療してみたら偶然治っただけでしょう。
まあ、中には、こういう理由で〜、と言う内容を説明し忘れて、自分だけわかっててちゃんと治したけど、患者さんはよくわかってない、という先生や、ちゃんと説明したのに、飼い主さんが忘れててクレームを入れてくる(前に当院にでもあって、自信が無かったのでスタッフに聞いたらちゃんと説明していました)飼い主さんもいたりします。

僕もたまにしっかりと説明をするのを忘れてしまうことがありますので、独りよがりにならないよう、今後とも頑張って行きたいと思います。

ちなみに、治療的診断、という方法もあります。
ある程度、どの病気か可能性を絞り込むことができたけど、完全にはわからない。
そういう時は安全かつ、症状から判断した薬を使用してみて、効果が出るかどうか、を試すことがあります。これを治療的診断と言います。
実際に、検査ができない状況や、どんな検査をしようが、確定できない病気、というものは存在するため、こういう方法がとられることがあります。

セキセイインコやハムスターは検査が難しかったりするため、治療的診断を行うことが多い傾向にあります。(手当り次第に薬を使用することもあるため、ショットガン治療と言われたりします)

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