トトロと火垂るの墓(そう太が変な維持を張らなければ節子は充分に生き残ることができたはず)

ジブリつながりで続けて書いてみようかと思います。

当院院長と同年代や、その親の世代の方達は覚えているかもしれませんが、当時、となりのトトロと火垂るの墓は同時上映されてしまっていました。

片方だけでもボリュームは万点ですが、よりによって、子供達がトトロを見て大いに楽しんだ後、火垂るの墓が映し出された訳です。

戦争の意味もわからなかったあの頃。
明らかに年代層を間違えていました。

僕は当時、観ていられなくて、途中で映画館を出てしまいましたね。
よく同時上映したものです。

火垂るの墓をしっかりと観たのは高校生になってから。

高校時代は叔母さんが陰険、イジワルだ!と、単純に思っていたんですが、実際のところ、あの情勢下で親戚の子供を二人、しかも主人公のそう太、居候なのにお手伝いなんかもしてないんですよね。
寝っ転がりながら本を読んでいるシーンがあります。

それに、何度も節子を助けることができる機会は有ったんです。

それは意地を張らずに叔母さんの所に戻ること。

口うるさくたって、お母さんの着物を売るって言われたって、戦争してたら口うるさくもなるし、二人分も養うなら、着物を売るくらいしなくちゃやっていけないでしょう。
叔母さんの視点から見ると、そう太は二人をタダで養え!と言ってる訳です。
普通の情勢下ではあの叔母さんも普通に優しい可能性が高いんじゃないでしょうか?まあ、憶測です。

正直言って、昔は二人が死んだのは叔母さんのせいだと思っていましたが、大人になってから改めて観ると、二人が死んだのは、そう太の意地、プライドのせい。

実際にそういう意見に変わる人が結構いるそうです。

ただ、叔母さんのことを考えてしまうんです。
そう太が出て行く時に、叔母さんは、「意地を張ってるだけで、そのうち帰って来るに決まってる」と考えていたと思うんです。
でも、戦争が終わった後も帰って来なかった。
二人のその後は、ちょっと考えればわかることです。
上記のように、ただ意地悪なのではなく、普通のおばさんです。
相当な罪悪感を覚えたはずです。

何であそこまで意地を張って出て行った、無理矢理にでも止めれば良かった、生きていられるはずがない、自分のせいなのか?

皆さんも一度、叔母さんの視点から考えて火垂るの墓を観てみると良いかと思います。

こいつ、居候なのに、だらけながら本読んでる。
節子と一緒に遊んであげるのは良いけど、皿洗いくらい手伝ったらどうなんだ?
雑煮の中の具が少ない?うちも食べるもの少ないのに、居候が二人、こっちも苦しいんだから、着物くらい売れ!

叔母さんの客観的視点で想像してみると、そう太はかなりわがままです。

節子が医者にかかったあと、あとは栄養をしっかりと取らせるように、と言っています。
そう太は「そんなもんどこにあるんですか!」そんな風に言っています。
叔母さんの家に戻れば、有ったでしょう。
戻れば、栄養失調になっていた節子を見て、そう太を本気で怒ってくれたでしょう。
「つまらない意地に、妹を巻き込むな!」と。

ハッピーエンドの道は簡単なところに有ったんです。
それをそう太の意地が邪魔をした。
とても、とても残念な話です。

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