死亡前の意識の無い呼吸。チェーンストークス呼吸

少し悲しい話になってしまいます。
とある飼い主さんが、猫ちゃんが非常に苦しんでいると思ってしまい、大泣きしてしまっていたことがあったので、もし同じ状況になった飼い主さんがいた場合に、それはそうでは無いということを知らせるために記載したいと思います。

チェーンストークス呼吸というのは、外見的には息をしようとしているのに、酸素をうまく取り込めていないように見える呼吸動作です。
そのため、上記の通り、苦しんでいる様に見えてしまうのが特徴なのですが、この呼吸動作をしている段階になっている時には、そのワンちゃん猫ちゃん達には、もう意識が無い状態なのです。
また、暴れる様子が無い、目を触ってもまばたきしない、というのは、わかりやすい特徴です。

悲しい話になる、と言ったのはこのためで、この呼吸をしている段階になるということは、亡くなる直前であるためだからです。

中には来院した時点で、このチェーンストークス呼吸をしていて、飼い主さんが泣きながら、ちゃんと息が吸えないみたいで、苦しんでいるんです、と言って連れて来る方もいます。

もう意識が無く、苦しくはありませんが、亡くなる前兆です、と伝えるのは心苦しいことですが、本人が苦しんではいない、ということがわかることで落ち着く飼い主さんもいらっしゃいます。
大抵は、飼っている子に持病があり、前から亡くなることがわかっていた方がほとんどですが、そうでなくても本人が苦しんではいないことを理解することで、突然のことで悲しいけど安心するという方もいます。

家で判別するには目を触ってまばたきをするか確認する方法があります。
まばたきをしなければ意識が無いと思って良いです。

改めて言いますが、チェーンストークス呼吸をする状態にまでなった子を回復させるのは困難です。

以前、一度だけ、心臓がもともと悪く、目の前でチェーンストークス呼吸になった子がいて、まだ心臓が動いている内に心臓の脈動を増すお薬の心臓注射、呼吸不全の改善を促すドプラムというお薬の投与で息を吹き返したワンちゃんがいます。その一頭くらいです。

基本的に脳に酸素が送られなくなってから5分以上経過すると、もう復活は不可能と言われています。お家で呼吸が止まって病院に連れてきてから蘇生処置、というのは残念ながら難しいでしょう。
下に書いた追記は、ご飯などを喉につまらせた時の対応法ですが、知っておいて損は無いかと思います。

追記

本当に喉に何かを詰まらせてしまった場合ですが、当然呼吸ができずに本人は暴れます。
対処法としては、まずは指で詰まった物が取れるかどうか試して、それでダメなら頭を下に向けて背中を叩く、胸を圧迫するハイムリック法(言葉だけでは説明が難しいので、ハイムリック法という言葉をネットで調べておくと良いでしょう)などを実施する必要があります。
喉の詰りの対処法。ハイムリック法のやり方も載っています。
https://amp.hills.co.jp/dog-care/healthcare/how-to-help-a-choking-dog

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