ドラペドマニア、ありえない病気、ありえない最悪な医者の考えが普通だった時代

ドラペドマニアとはとある行動を遺伝性の精神疾患と決めつけてつけられた、精神疾患病名です。
しかし、この病気、いや病気と呼ぶのも明らかにおかしいということがわかります。

この病名を作ったのは、サミュエル・カートライト、という医者で、病気の症状は、奴隷が奴隷としての義務を放り出して逃げ出すこと、としていました。

要はこの医者は、奴隷が逃げ出すのは、病気である、と言い切ったんです。
しかも治療方法は非道で、悪魔にとりつかれて逃げ出したから、鞭打ちで悪魔を追い出す、と言って治療とは言えない、拷問のような治療法を提案していました。

いま現在の一般人なら明らかにこれはおかしいとわかります。
ですが、このサミュエル・カートライトは、黒人奴隷が酷い環境に耐えられずに逃げ出すことを、本当に病気だと思い込んでいたんです。

しかも驚きなのは、この考えはこのサミュエルという医者だけの考えではなく、かなり近代まで、本物の精神疾患だと考えられて、真面目な医学書にも病気と紹介されていました。

信じられないことですよね。

https://www.institute-of-mental-health.jp/right/pdf/D-1.pdf

サミュエル・カートライトが書いた、ドラペドマニアの論文の日本語訳です。
はっきり言って、現代人の僕からすると、この論文を書いたサミュエルの方が、よっぽど精神がおかしいと感じるほどです。

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