細胞診がちゃんと通用しない、乳腺腫瘍

以前、細胞診という、小さな針を瘤に刺して細胞を取り、それをスライドガラスに吹きつけて染色し、細胞が良性なのか、悪性なのか、当院院長は病理学教室出身なこともあり、判断が可能だというお話をしました。

ですが、これが通用しない腫瘍があります。
それがワンちゃんの乳腺腫瘍です。

ワンちゃんの乳腺腫瘍は特殊な特徴があり、瘤全体の一部が良性、一部が悪性ということがあったり、悪性なのに、転移をすることが無いものがあったりします。

だから、細胞診をして、あ、良性の細胞だ!良性腫瘍だな。とはなりません。

逆に、悪性の細胞だ!という場合はもう悪性腫瘍と判断して良いのですが、何故かワンちゃんの悪性乳腺癌のうち、半分は大きくなっても中々転移しないものが存在しています(普通は転移をする基準として、ほとんどの悪性腫瘍は2cm〜3cmが限界点と言われています)。

乳腺癌は、一緒に片側乳腺も全部取ることもありますが、本人への負担は大きいです。
当院では乳腺腫瘍が小さければ、局所麻酔での切除を推奨しています。

一方で、猫ちゃんの乳腺腫瘍はほぼ100%悪性な上に転移をしやすいので、どんなに小さくても、というよりはまだ小さい内に切除をすることを勧めています。

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