フィラリア注意報(早くも今年最初のフィラリア感染者が出てしまいました)
残念ながら、今年最初のフィラリア感染犬第一号が出てしまいました。
そのワンちゃんは毎年、おくすりを7ヶ月投与しなければいけないところを2、3か月しか持って行っておらず、最初の方だけ飲ませて、後半は飲ませていない、という状況になっていました。
最近のフィラリアは、この辺りの地域では大量感染することは少なく、少数の感染ですんでおり、外科手術を行わなくても、内科的(投薬での)治療で回復させることができる状況です。
しかし、肺動脈(心臓から肺に血液を送る血管。フィラリアが感染する場所)は確実に傷つき、肺動脈の狭窄を起こして、肺高血圧症という、致死的な病気を引き起こすこともあります。
右心不全と言って、初期の段階では症状は出ないのですが、最終的に腹腔内に滲出液がたまり、呼吸にも支障が出ることになります。
今まで感染しなかったから大丈夫、と思ったのかもしれませんが、たびたびブログ内で記載していますが、各地域のフィラリア検査結果から、この辺りでは内山町、大日町、横戸町はフィラリアが多数存在していることがわかっています。
そこらの辺りからフィラリアに感染した蚊が飛んでくるのは容易だと考えられます。
今まで感染したことがないから大丈夫、とまで言う飼い主さんもいらっしゃいますが、今まで何度もブログで書いている様に、あくまで周囲の人が予防をしっかりしているから感染しないでくれているだけであって、いつフィラリアに感染してもおかしくないと思ってください。
腫瘍や他の難病とは異なり、完全に予防できる病気なので、予防をおこたって感染してしまう、というのはあまりにも勿体ないことだし、ワンちゃんも可哀想でしょう。
そういう訳で、フィラリア予防は確実に7ヶ月間実施しましょう。
この写真は当院のものでは無いのですが、
もともとあったものは、忙しくて写真を取るのを忘れて捨ててしまいました。
Cがコントロールで、検査がうまく行っているかどうかの指標。
Tがフィラリア陽性だと出てくる線です。
昔の検査キットは血液が4滴必要だったり、今でも他の会社のキットは2滴必要なのですが、当院でも使用している、写真と同じ富士フィルムの CHW 極東 は血液がたったの1滴で検査ができるすぐれものです。
採血時に大暴れするワンちゃんなどは看護師さんの力では保定しきれなくても、何とか1滴取れれば測定できます。
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