お薬の値段
動物病院で処方している薬は、それぞれの病院が値段を設定しています。
当院では高い薬はなるべく安く、という方針でやっていますが、元々が高い薬の場合、そういう薬はどうしても価格が高くなってしまいます。
一方で、人間の医師が処方箋を出し、薬局で販売する薬は、すべて厚生省が値段を決めています。
こちらの場合は、高くなるも安くなるも厚生省のさじ加減次第ということになります。
これは結構厄介で、獣医も人体薬を使用することが多々あるため、今まで使用していた抗生物質の原価が、いきなり4倍の額に跳ね上がったこともあります。
特に問題なのは、薬の原材料費と厚生省が決定した薬の原価、使用額が異常なほどかけ離れた薬も存在することです。
例えば、今でこそ新薬がでたりして、安価に治療ができるようになった(それでもお金が足りなくて治療を受けることができない人もいるレベル)、肺高血圧症(肺が固まって死に至る病気)などは、一昔前はアメリカでは、数千円で買えたにもかかわらず、同じ時代日本で数十万円かかる、といったこともありました。
また、この肺高血圧症にはバイアグラが血管の拡張、血圧の減少を起こして症状を和らげてくれることから、実際にバイアグラを使用することがありますが、日本のバイアグラは高価過ぎて使い続けていけない患者さんがほとんどです。
これらの価格ももちろん厚生省が決定しています。
海外の薬よりも日本の物の方が安い物も中にはありますが、この肺高血圧症の薬などや治療費が非常に高くかかる病気の場合、家族のお金が尽きる、社会保険の場合、会社にも負担が行くため、会社から保険を使うのをやめてほしいと請われる、などのことが良く起こっているそうです。
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