勘違いしている方が多いですが、ワクチンを日本では毎年打つ必要について

稀に、当院に来院する方で、以前の病院では混合ワクチンを打つのは3年に一回で大丈夫と言われた、
という方がいます。
これは大きな間違いです。
アメリカなど、ワクチン接種率が70%を越えている国では、パンデミックを抑えられるため、3年に一回でも構わない、と言われています。
一方、日本では混合ワクチンの接種率が30%ほどなため、現在人間で新型コロナウイルスがパンデミックを起こしているように、3年に一回ワクチンを打っている子でも、ワクチン抗体価(ウイルスに対抗できる力のレベル)が足りない子は、ウイルスに感染します。
ちなみにワクチン抗体価がどのくらい持つかはその子のその時の体調なども関係するため、一年持たない子、その時は一年以上持った子、その時は3年抗体価が持った子、などに別れます。

つまり、ワクチンを3年に一回だけ打つ、というのは、あくまで一年の間にワクチン抗体価が、基準値以下にならなかった子の場合は大丈夫、というだけで、そうでない子がウイルスを持っている子に会えば、そのままウイルスに感染します。

これはアメリカでも同じで、ワクチン接種率が70%以上でも、ワクチン抗体価が基準値を満たしていなければ、ウイルスを持っている他の子に接触すれば、当然感染します。

あくまでパンデミックを起こさないための3年に一回のワクチン接種でしかなく、抗体価が足りなければアメリカでも当然感染するのです。

先ほど上述したように、日本では特にそうです。

患者さんの中には特に熱心な方もいて、ワクチンを毎年打ちたくないから抗体価を毎年計る、という方もいますが、もちろんその年、その年でワクチン抗体価が保てている時もあればそうでない時もあります。

少なくとも、日本のワクチンに関する権威の先生は、今の日本では毎年ワクチンを打つか、ちゃんと抗体価が維持できているか確かめ、足りていなければ改めてワクチンを打つことを推奨しています。

3年に一回のワクチンで構わない、という先生にはあくまでその先生の考え方でしょう。

ただし、ペットショップでも同様のことを言っているところもありますが、決してそんなことは無いので気をつけた方がいいでしょう。

当院では毎年ワクチンを打っているか、抗体価が基準値に達している子でないと、ペットホテルやトリミングはお断りさせていただいています。

10年以上前の話ですが、上述の理由で数頭のワンちゃんがウイルスに感染した件がニュースにもなっています。

当院では毎年ワクチンを打て、とは言いませんが、打たない場合はワクチン抗体価のチェックは必ず行うべきだと思います。

ご自分の飼っているワンちゃん、猫ちゃんだけのことでなく、知り合いやご友人の飼っているワンちゃん、猫ちゃんにも関わる(人間がウイルスを運ぶこともあるため)ことですので、ご自分でも良く調べて見ることをお勧めいたします。

もし3年の間にワクチン抗体価がたりなくなってしまったら……1年で抗体価が足りなくなるこもいる、日本と他の国の事情は異なる。
よくよく考えてあげてください。

0コメント

  • 1000 / 1000