本日4頭目のフィラリア陽性犬が来院しました。
今回の件では、今まで親戚の方が適当に飼育しており、フィラリア予防をしていませんでした。
そして今回、別家庭の方が狂犬病の予防、登録、フィラリアの検査を実施したところ、陽性になってしまっていた、ということです。
最近はフィラリアの駆除方法に関しても、新しい方法が出てきており、かなり昔はヒ素入りの薬剤の投与、治療行為であるのですが、沢山のワンちゃんが死亡しました。
チョット前は体の中でアナフィラキシーショックを起こす可能性があるけど、普段から皆さんも与えている予防薬を投与していました。
(なんで予防薬でアナフィラキシーショックが起きるかと言うと、フィラリア陽性犬の血管の中には、凄まじいフィラリア幼虫がいて、それが一片に死ぬからです)
では現在の治療法と言うと、フィラリアは体内にボルバキアと言う細菌と共生しており、このボルバキアを殺すドキシサイクリンという薬の投薬で子供が産めなくなります。
そうなればアナフィラキシーの心配が無くなるため、通常の予防薬を投与し始めることができる、というわけです。
しかしながら、フィラリアの治療にはどうしても時間がかかります。
フィラリアの治療の最終目標は心不全にさせないことですが、治療中に間に合わずに心不全になってしまったり、おそらくボルバキアは死滅し、フィラリア幼虫もいなくなっただろう、と予想して(いなくなった、と証明ができないのです。幼虫も成虫も検査キットで陽性になり、ドキシサイクリンでは成虫は死なないからです)、気をつけながらフィラリア予防をしてもアナフィラキシーを起こしてしまうこともあります。可能性はひくいのですけれど。
結局はフィラリアが感染しないようにしっかりと予防するのが一番だという事ですね。
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