体調の維持が難しい、ホルモンの病気
ホルモンの病気で、有名な病気と言うと、ワンちゃんのクッシング症候群、甲状腺機能低下症、猫ちゃんの甲状腺機能亢進症が主に挙げられます。
これらの病気に関しては、結構前ですが、記載していますので、興味があったら見てみてください。
では、題名にある、体調の維持が難しい、ということについてですが、クッシング症候群は目標とするコルチゾール値になるようにたくさん放出されているコルチゾールを薬で減らします。
そして正常な子と同じ値になったかとおもっても、症状が改善せず、状況はそのまま、ということがかなりの頻度で起こります。
じゃあもっと下げてみれば?というと、コルチゾールというのは体に必要なステロイドホルモンであるため、下げ過ぎると死亡することすらあり得ます。
正常値にした→症状が変わらない→更に下げてみた→死亡
ということも起こるわけです。
では甲状腺機能低下症の場合、酷いと低体温や、げんきが無くなってしまいます。
そのため、外部から基本的な量を加えてみたことがあります。
ですが、飼い主さんが言うには、食欲が出すぎて下痢になる、どんどん痩せてきた、と言うのです。
これは甲状腺機能亢進症の症状に当たります。
まるでサイロキシンが高すぎる様な症状になってしまうのです。
これにはかなり苦労しました。
じゃあ薬の量を半分にしてみると、あまり変わらない。
更に減らすと、低下症の症状がでてくる。
丁度良い用量になってくれないんです。
結局、飼い主さん的には下痢をされるよりも楽、ということでごく少量の薬量で治療していました。残念ながら明確に症状が良くなった様には見えませんでした。
では甲状腺機能亢進症についてです。
これは主に猫ちゃんが発症する病気です。
食べているのに痩せてきた、凶暴になってきた、よく動く、などが基本的な症状です。
これに関してはある程度上手く治療できたのではないかと思っています。
最盛期よりちょっと痩せている、ということがありますが、状況次第では、ごく少量、増量してみるのも良いかと思います。
上記の病気達は、薬の効果にかなりの個人差があります。
うまく行く子がいれば、そうでない子もいる。
クッシング症候群なんかは、しっかりと抑え切れなくても、病気がある程度残ったままでも元気でいてくれることが多いため、強力にコルチゾールを抑えずに治療を維持することも良くあります。
うまいこと、治療薬が適度に効果をだしてくれれば良いのですが、これらの病気に関しては状況に合わせて付き合っていく必要があるでしょう。
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