改めて、避妊手術に関して(何故か可愛そうと言う方が多いので。逆に手術しない方が可愛そうな理由)

あまりにも飼い犬、飼い猫ちゃん達が乳腺ガンで亡くなって後悔する方が多すぎるので、再び避妊手術に関して記載させていただきたいと思います。

まず、避妊手術を実施するのが可愛そう、という方がこのこてはし台ではかなりいらっしゃるようです。
でもその結果、歳をとったワンちゃん、猫ちゃんが、乳腺ガンになった上で瘤が破裂し、血を撒き散らしながら家中を歩き回るのを、何とかしてあげられないか、と来院することになる人が多すぎます。

破裂自壊した乳腺ガンは、モースペーストという塗り薬を使用することで、出血を抑えたりすることもできますが、このモースペーストは劇薬で、万が一、塗ったペーストをワンちゃん、猫ちゃんが舐めてしまうとそのまま亡くなってしまう程に危険な薬で、塗るのも慎重に行い、絶対に舐められない様に、カラーを外さずにつけ続けることが必要になります。(それでも舐めてしまって、大問題になることもあります)つまり、モースペーストは最後の最後の手段と言うことになります。

避妊手術の話しに戻りますが、ワンちゃんはある程度、発情のタイミングがコントロールできるので、成犬になる前に(大体5ヶ月歳くらいを目安に)手術できますが、猫ちゃんは日照期間も発情に影響します。つまり、日が短くなると、かなり若くても(4ヶ月歳などでも)発情が来てしまう、しかも、終わったと思ったらすぐに二回目の発情を起こしたりします。

この2回起こす、というのが問題になります。

将来の乳腺ガンの発症率は発情が一回しか来ていないなら、その直後に避妊手術をして、90%の確率で乳腺ガンの発症を抑えることができます。
しかし、2回の発情を経験してしまうと、もう乳腺ガンの予防効果はゼロになってしまうのです。

この場合、猫が一回目の発情を迎えたら、発情中に避妊手術を実施してしまうことをお勧めします。

発情していると出血をしやすい、という方もいらっしゃいますが、猫ちゃんの子宮は発情していると伸びやすくなるため、手術自体はやりやすくもなります。

避妊手術、去勢手術は可愛そう、では無いのです。
人間と異なり、理性的な行動を取ることができないため、逆に、発情しているのに交尾できないことで、かなりのストレスを覚えることが、研究で判明しています。

避妊手術、去勢手術はストレスを減らし、病気の予防にもなる、重要な手術です。

まだ小さい子を飼育している方、これから購入を考えている方は、その子の将来のためを考えて手術を行って上げてください。
フィラリアの時にも言いましたが、完全に予防できる病気を、予防せずに死なせてしまう程もったいないことは無いかと思います。

もし避妊手術をするかどうか迷っている、というなら、迷うくらいなら手術をしてあげた方が良いでしょう。

0コメント

  • 1000 / 1000