猫の慢性膵炎
猫ちゃんの慢性的な膵炎のことですが、実はこれ、非常に発症率が高いのが特徴です。
老衰で死んでしまった猫ちゃんを解剖した結果、60〜70%の猫ちゃんが慢性膵炎にかかっていた、という結果が報告されています。
では何故、そんなことになるのかというと、大した症状が無く、気づくことができないからです。
あえて挙げるなら、少し嘔吐をする頻度が高くなるといったところでしょうか。
また、病理学的(以前のブログ参照)に見ても、痛みを発するような炎症では無く、リンパ球が少しずつ、膵臓の組織を機能しない様に変質させていく、という、ジワジワと膵組織を機能停止に追い込んでいくのが特徴です。
上記の様に、老猫の60〜70%が罹患しているのですが、急性膵炎と違い、治療方法が無いというのも特徴の一つです。
炎症を止める薬、というのは効果の強いものから弱いものまで様々なものがありますが、猫ちゃんの慢性膵炎を止めてくれる薬は現在存在していないのです。
ただし、稀に慢性膵炎が進行しきって、膵臓が完全にダメになって糖尿病になる猫ちゃんもいますが、慢性膵炎になっても問題なく天寿を全うする猫ちゃんがほとんどでもあるため、あまり怖くない病気とも言えるでしょう。ただし、たまに元気食欲がなくなってしまう猫ちゃんもおり、特効薬が無いため、元気になるまで強制給餌や、本人が食べたがる餌を、中継ぎとして、与え続けることが必要になったりします。
それでもその症状が慢性膵炎のせいだとは言い切れないのですが。どちらにしろ、食欲が戻り、腎臓ケア系のご飯が食べられるようになれば、こっちのものです。
怖いのは、生死に関わる急性膵炎ですね。
これに関してはまた次の項で書かせてもらおうと思います。
歳を取った猫ちゃんが、何か前よりよく吐くなぁ、と思ったら、慢性膵炎になっている可能性が高いです。
しかし、元気食欲があればあまり心配する必要がないことも覚えておくと良いでしょう。
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