去勢手術をしたのに発情する猫ちゃん

ごく稀ですが、去勢手術をして睾丸を取ってしまったのに発情兆候を示す猫ちゃんがいます。

これはなぜかと言うと、副腎、という臓器から男性ホルモンが出ているためです。

本来この副腎から出る男性ホルモンは、女性も出ており、ごく僅かな量でしかないのですが、去勢手術したのに夜泣きが止まらない、という飼い主さんがたまに出てきます。

ではこの副腎を取ってしまえばいいのでは?と聞かれましたが、この副腎はかなりの重要臓器。表面の副腎皮質は体中に必要なステロイドホルモンを適度に出し、体の調節をしてくれています。ここから出る副腎皮質ホルモンがなくなると、多量の嘔吐や下痢などが認められ、死亡してしまいます。
中心の副腎髄質はミネラルステロイドホルモンというものを出しています。
その名の通り、体の中のミネラル分を調えてくれています。

このように、副腎は、発情が収まらないから、という理由で切除するのは、大変危険な臓器になります。

去勢手術しても、発情の鳴き声を上げるのは、近くに雌猫ちゃんがいるためですので、引き離すのが、一番の治療になるかと思います。

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