超猛毒の蛇 インランドタイパン

世の中には凄まじい猛毒を持った毒蛇が存在しています。

マムシの毒でも人は死ぬのに、致死量のどくがマムシの数十倍から、数百倍という濃度を持っている蛇がたくさんいます。

その中でも一位を誇るのがインランドタイパン。
オーストラリアの内陸部に生息している、なんとマムシの800倍の強さの毒を持つ毒蛇です。

なぜここまで強力な毒性を持つことにいたったのでしょうか。

仮説として有力と言われているのが、こういうあまりにも強い猛毒を持つ蛇の周りには、獲物があまり存在しない、というのがポイントです。

つまり、噛み付いて毒を流し込んでも、毒が回る前にそのまま逃げられてしまえば、獲物を捕まえることができず、嚙んだ獲物はどこか遠くで死んでしまう、となります。

そこで、この異常な猛毒です。
噛んで速攻で獲物は死亡するため、逃さずにすむことができます。

問題は人間がそんな蛇に噛まれた場合です。
昔はこのインランドタイパンに噛まれて死ぬ人がよくいたそうです。

しかし、現在は血清が作られており、助かる人が増えているとか。

マムシでも人は死ぬのに、その800倍の毒性を持つインランドタイパン。
オーストラリアの内陸部に行く予定なんてありませんが、非常に恐ろしいですね。


ここで補足。
日本のマムシに関してです。
ご存知の通り、インランドタイパンの800分の1の毒ですが、嚙まれれば人は死にます。

ただし、やはり血清が存在しており、そのおかげで助かる人は毎年います。

では、ワンちゃんはどうでしょうか?
人間のために作られた血清を使わせてもらえるのでしょうか?
これに関して、ワンちゃんは血清を使わせてもらえません。

では、どう治療するのかというと、まず、前提から言って、ワンちゃんはマムシの毒に、ある程度耐性が存在しています。

鼻の頭をカブりとされて、顔が腫れているのに、とっても元気に病院にやってくることもあります。

問題は症状がひどい時です。くらった毒が多ければ、耐性があっても関係ないことだって当然あります。
ショック症状が出て心臓の鼓動が弱くなっていれば、心臓を動かす薬、および静脈内点滴を行います。

あとは止血剤、ステロイド剤、抗生物質などをうつ。あとは天命に任せることが多いです。

更に厄介なことには、噛まれて腫れた部分が壊死を起こし、皮膚とその下の組織がズタズタになってしまうこともあります。

症状がひどい場合には完全回復までに長い時間がかかることも。(一ヶ月〜それ以上)

やはり一番はマムシに噛まれないようにする、ということですね。
マムシがいる地域であれば、草むらに顔を突っ込ませない様にしましょう。

本人が行きたがっているかといって、大怪我をしては本末転倒です。

一方、マムシではなく、マムシだと思ったヤマカガシ、ということもありえます。
ヤマカガシは毒牙が奥の方にあり、噛まれても毒を受けることが少ないのですが、毒性はハブを超えます。

当院近くではマムシやヤマカガシにやられる、ということはまず無いでしょうが、豆知識として知っておくのもいいかもしれません。

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