卵巣再生症

避妊手術を行い、卵巣を完全に取り切ったにもかかわらず、元々の卵巣周囲の組織、例えば卵管や周りの脂肪細胞が、卵巣の代わりに女性ホルモンを出し始め、発情と同じ症状を起こす病気です。

卵巣再生症と名前が付いていますが、本当に卵巣が再生しているわけではありません。

あくまで女性ホルモンを出すだけなので、交尾しても妊娠することはありませんが、最近の避妊手術での主流である、子宮は取らずに卵巣のみを取る、という形態から、将来的に子宮蓄膿症を引き起こす可能性があります。

理由は不明ですが、大型犬に起こりやすいと言われています。

当院ではこの卵巣再生が起こった場合、元々卵巣があった周囲と子宮の摘出を実施することをお勧めしています。

非常に珍しく、今まで避妊手術をしてきた中で、2頭程しか経験がありません。

似たような症状で、一度だけ陰部から出血があった、等はあったりしますが、大抵はその一回で収まってしまい、その後、発情をおこすことがないのがほとんどです。

もし避妊手術後に、何度も発情出血が起こるようなら、これを疑う必要がありますので、相談していただければ幸いです。

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