様々な血圧の薬(心臓、腎臓の薬)
血圧の薬にも様々なものがあり、当院では、心臓病や腎臓病の子に出すことが多いお薬です。
当院で主に出している薬はアンジオテンシン変換酵素(ACEI)のアラセプリル、という薬を使用しています。
この薬は、他のACEIと比べて、2つの方向から効能を効かせているため、他のものより良い効果が期待できるという論文も出ています。
また、他にはアンジオテンシン合成阻害薬(ARE)というものがあり、ACEIより良い効果があるという論文がつい最近出されました。
その代わりACEIより高額なこと。
ACEIと比べて動物への用量があまりよくわかっていないことなどの問題があります。
そして、2年ほど前に発売された、ベラプロストナトリウム(ラプロス)という薬もあり、これは心臓には使われず、主に腎臓病に使用されます。
ただしかなり高額で、更には猫ちゃんにしか認可がおりていません。
一方で、心臓病のうちの一つであり、発症が珍しい、肺高血圧症(全身ではなく肺だけの高血圧症。進行が早く、死に関わる病気です)の初期段階に使用されたりします。
これは残念なことに、値段の割りには効果が薄い、というより肺高血圧症は薬が効きにくい、という点があるためです。
肺高血圧症には、より効果がある薬として、バイアグラが使われますが、すさまじく高価になります。
最後に、アムロジピンという血圧の薬もあります。
これは腎臓には使用されず、心臓僧帽弁閉鎖不全症に使用されます。
値段は安いですが、これ単体で使用すると、残念なことに、効果が無くなっていきます。
ACEIと一緒に使用すると、効果阻害が防げるため、ACEIや強心剤だけではあまり心臓の負担が抑えられなくなった時に、一緒に使用することが多いです。
上記の中でも、ラプロスやバイアグラはそれぞれ腎臓、心臓への効果が高いのですが、値段を聞くと、使用をやめてしまうことが多いです。
こちらからも、症状に合わせて薬の提案をいたしますが、多種多様な薬があるため、どの薬が本当に良いか、は本人やオーナーさんによるものと言えます。
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