猫の生ワクチン、不活化ワクチン
ワクチンには大きく分けて、生ワクチンと不活化ワクチンが存在しています。
この内、生ワクチンは本来のウイルスを弱毒化(弱いウイルスに変化)させ、ウイルスの危険性を無くしつつ、強い免疫を得ることができるワクチンです。
デメリットとしては、本人が弱っているとき、元気がない時に打つと極少確率で、弱毒化したウイルスにより、逆に感染が起こってしまうことがあることです。
一方で、特に高年齢になった子においてですが、僕自身としてはワクチン接種で逆に猫風邪等の病気になった猫ちゃんは経験したことが無く、ワクチンを打たずに猫風邪で死亡した猫ちゃんの方がたくさん診てきているため、高年齢の子ほど、ワクチンの接種が必要であるとは思っています。
また、不活化ワクチンに関してです。こちらは完全に死んだウイルスを用いたワクチンのため、ワクチンに入っているウイルスに感染することはありません。
ただし、死んだウイルスでは免疫の獲得が弱いため、アジュバント、という免疫力を得るための手助けをする物質が入っています。
これだけだと、不活化ワクチンの方が良いように聞こえてしまいますが、こちらもデメリットが存在しています。
それはこのアジュバントにより、生ワクチンよりも副作用が出やすいことです。
ワクチンの副作用は以前にも紹介していますが、発熱、吐き気、アレルギー(顔が腫れてくる)、そして最も恐ろしいアナフィラキシーショックなどです。
この内、発熱は不活化ワクチンではかなり高確率で認められます。
また、猫ちゃん自身の体質も関連しているそうですが、ワクチン接種部位肉腫という、ワクチンを打った場所に癌が発生するという病気も、生ワクチンよりも発生しやすいことが言われています。
これらの様に、ワクチンの接種にはメリット、デメリットが存在していますが、結論として当院では生ワクチンの接種を推奨しています。
もし、ワクチンを接種するに当たって、心配なこと、気になることがあるようであれば、ぜひ相談していただければと思います。
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